30分は待ったはず、雅人くんに何かあったのかも知れないし、今日は帰ろう…
暑くてバテそうだし…
立夏は家に向かって歩き始めた。
また塾で会えるしいいよね。
少し歩くと後ろから走ってくる足音がして振り向いた。
「立夏、ごめん!」
「あっ…」
「ハァハァ……遅くなった…っごめん」
「ううん、走ってきたの?すごい汗だよ」
「何かホームルームが長くて、夏休み中の注意事項とか担任が長々と話し出してさ、急いで教室でたら友達にも捕まって、後輩にも捕まって……
俺を立夏の所に行かせないように誰か仕向けてるんじゃね?って思った(笑)」
「そんなに?(笑)」
うんと雅人くんも笑った。
歩いていると自販機があり、雅人くんが飲み物を買ってくれた。
「お金、明日の塾の時でいい?」
「いいよ、お詫び」
「でも…」
そこの公園に行こうと誘ってくれた。
木陰のベンチに座った。
「暑いから長くも話せないけどさ」
「うん」
「夏休み中、もし良かったら市立図書館で勉強を一緒にしたいなって考えてて……」
「…うん、いいけど」
「良かった…俺さ……立夏の事が好きで…」
「えっ、す、う、わ」
久しぶりにどもって言葉にならない。
「えっ、好き?嘘?私?で合ってる?(笑)」
うんうんと立夏は頷いた。



