立夏と綾にクスクスと笑われた。
「雅人は合宿初めてだからねー、立夏と私は経験済みだし(笑)」
「でも快適なホテルだから中々いいよね」
「立夏は勉強が苦じゃないからいえるんだよ」
最近成績が伸びない綾が言った。
「合宿終わったらマジで進路決めなきゃ」
「綾ちゃん…」
どちらかといえば立夏と雅人は理系で綾は文系なのだ。
でも英語の成績が悪く、志望校を決めれないでいる。
授業が終わると筆箱を片付けていた中に小さなメモがスっと雅人から入れられた。
顔を上げるとバイバイと手を振り教室を出ていった。
そのままカバンにしまい立夏も教室を出た。
部屋で筆箱を開けると『終業式の日、校門で待ってる』と書かれてあった。
えっ、どうしたんだろう、何か用事?
メモって事は綾ちゃんにバレないようにって事だよね、あっ、スマホ持ってないから明後日の塾で返事出来るように今日くれたのかな?
考えすぎ?
明後日の塾では雅人くんが来るとOK?と指で合図をしてくれた。
コクンと頷いて私達は約束をした。
スマホがなくても約束出来るんだ……
少し嬉しくなった。
終業式の日、ドキドキしながら校舎を降りていく。
門に着くと雅人くんはいなかった……
えっと……どうすればいいのかな
こういう時、やっぱり連絡が取れないと……
でも学校にスマホ持っていっちゃいけないしそれは一緒か……



