バスケ部だった俺も身長も伸びて声変わりもした。
ガリガリだった体も筋肉も程よくついてくる。
綾にはまた身長伸びた?と聞かれるが当然と言い返す。
立夏には「声、変わってきたね」と言われて、「んっ、あー、あー、どう?」
「少し低い(笑)」
「慣れて(笑)」
「うん」
お互い笑いあった。
梅雨に入って大雨のある日、もう少しで授業が終わる頃に停電になった。
みんな一斉にスマホの電源を入れる。
「今日はもう、終わりにしよう、道具をしまって、迎えに来るとこは連絡いれて、無理な子は1階の事務室前にいてくれ」
先生はそういうと懐中電灯と言いながら教室を出た。
「あ、雅人くん、ありがとう」
俺はスマホの懐中電灯をつけて、立夏の机を照らす。
「ん、全然、先にしまえよ」
「雅人、電車が停まってるよ」
綾が調べてくれた。
「あー、まあ、そうだろうな、こんだけ雨も雷も酷いし」
「雅人くん、私んちの車に乗って帰る?」
「あー、その方がいいかもね、復旧するまで、タクシーもつかまらないでしょ」
「今日、母さんいないから、じゃあいいかな?」
「うん!」
「あっ、うちはもう着いてるから先に行くね」
バイバイと綾は教室を出た。
「うちも多分来てると思うよ」
俺はスマホを足元に照らして階段まで行くと手をだした。
「ん、危ないから捕まって」
「いいの?」
「おぅ」



