綾が来始めた時に立夏にスマホの連絡先を教えてと聞いていた事があった。



もちろん俺も知りたかったが俺らしくなくも聞けずにいたから綾、ナイスと思ったのだが「ご、ごめん……まだ持ってなくて……」


申し訳なさそうに立夏が話した。


すでにスマホを出していた綾は「じゃあ、雅人」とついでのように言われ、綾とは交換した。




SNSもやってる?と聞かれ「あぁ」と答えるとじゃあフォローすると言われた。


立夏をチラッと見ると下を向いていた。



「スマホがなくても私達は週3回会えるしね、雅人」



「おぅ…」



気にすんなといいたかったが変になぐさめるのも違うと思いそれ以上は何も言わなかった。




それは家庭の事情なのだから……



三年になると志望校を話すと立夏とは同じ高校を志望してる事を知った。


綾はまだ迷っているらしい。



一応県立では1番偏差値の高いH高校だ。


そして、一応の私立も同じ高校を受験する事がわかった。



受験校を話した時、正直嬉しかったし、立夏も笑顔だったから悪い気はしなかった。



この二年間で立夏の丸かった顔は少しシャープになり髪の毛も伸ばしているようでたまに軽くシュシュで縛る仕草を横目で見ると、妙に色っぽく見える瞬間もあり、少しドキッとする。




体つきもふっくらしてきて、中学生男子の少しモヤモヤする気持ちもでてきていた。