立夏と初めて会ったのはその挨拶が最初、2年前の事だった。


いつも早めに来ていて1番前の席で勉強している。


俺は電車になってからは19時40分くらいに教室に入るようになったがいつの間にか立夏の右隣は俺の席になっていた。



最初の一年の時よりは三年になってからは人数も増えてきて、教室は20人くらいが授業を受けている。


教室が広く詰めて座る状態じゃないからいつも立夏の隣の席は空いている。



二年経って変わった事は立夏を名前で呼ぶようになったこと。



あとは立夏の左隣りに綾という塾仲間が増えた事。



二年の春に入ってきた綾はお喋りが好きで、立夏に話しかけるようになった。



俺にも普通に話しかけてきて話すようになったが、名前で呼ぶようになったのは綾が立夏と呼び捨てにしていたからだ。




今では教室に入ると綾と立夏は話をしていて「おっす」と俺が声をかける。




綾がおっすと返してくれ、立夏はお疲れ様と言ってくれる。



綾は雅人と呼び捨てにするが、立夏は雅人くんと呼ぶ。



恥ずかしいらしい……



それを聞いた時、やっぱり可愛いと思ってしまった。



まあ、いつも可愛いと思っているのだが、そんな感情は出さないで今まできたのだ。



基本立夏は大人しいし、俺や綾の話もうんうんと聞いてくれる聞き上手だ。



すぐ授業は始まるし、終わってもそんなに話す時間はないのだが、俺はそれでも楽しみに塾に来ていた。