大好きな君が勇気をくれたんだ

そして下された私の腕を引いた。

気がついたら目の前に理玖の首筋があって私は動揺した。

理玖の匂いを感じて少し体がこわばる。

「よかった…芹那の夢も叶う」

「も…?」

私は首を捻って理玖の横顔を見た。

理玖は正面を向いたまま言った。

「俺も、叶うかもしれないんだ」



芹那が相原さんについて行ったあと、俺は一人で座ったままだった。

「あのさ、ちょっといい?」

「えっ…あーはい」