大好きな君が勇気をくれたんだ

「はい」

そう言って立ち上がりつつ私は理玖を振り返った。

座ったままの理玖は笑顔で、「行ってらっしゃい」と口パクした。

私は頷いて相原さんの後を追った。

ついてきた先は別の応接室のようだった。

さっきと同じ配置のソファに腰掛ける。

座るとすぐに相原さんが真面目な顔をしていた。

「単刀直入に言うと、私は森さんにこの事務所に所属していただきたいと考えています。それで、いくつか質問があるのですがよろしいでしょうか」