大好きな君が勇気をくれたんだ

「微妙?」

最新の動画は私のオリジナルだった。

「いや、歌自体がなんていうか他の曲よりちょっとって感じ。あれ誰の歌だろ」

「あ、そうなんだ、へえ」

私は愛想笑いが限界だった。

「あれ、珍しい組み合わせ。茉莉たち、森さんと仲良かったっけ」

「理玖じゃん」

横から現れた彼はそのまま茉莉のスマホを覗き込む。

「なんの話ー?」

「あ、理玖さ、このチャンネル知ってる?最近たまに見るんだけど誰も知らなくて」