大好きな君が勇気をくれたんだ

最後のコードを弾いて私が手を下ろして数秒後思い出したように成宮くんがカメラを止めた。

彼の頬は光っていた。

「え、大丈夫?どうしたの?」

「あ、えっとごめん。何でかわかんないけど、聴いてたら勝手に」

そう言って成宮くんは涙を拭った。

そして笑った。

「ありがと」

「え、何が?」

私が発した言葉に不思議そうな顔をする。

「私が作った歌に心が動かされたってことだよね、それがすごい嬉しい」