牛島さんがわからない…。

と言うか、セレブとかハイスペックって人の心を弄ぶことが趣味なのか?

確かに高級ブティック店にやってくるセレブやハイスペックはそう言うヤツらばかりなのかと疑いたくなるが…。

「莉理先輩」

美世ちゃんに声をかけられて我に返った。

「何?」

そちらの方に視線を向けたら、
「顔が怖いです、そんなんじゃお客さんがきても逃げちゃいますよ」

美世ちゃんは言った。

「あー、それはごめん…」

仕事中だったことを忘れていた。

彼女に顔のことを指摘されなかったら、店にお客さんがきても間違いなく逃げられていたことだろう。

これじゃあ、接客している意味がまるでないな。

そう思っていたら、
「何かあったんですか?」
と、美世ちゃんが聞いてきた。