「仕事でのつきあいだったけど食べに行ったことがあるぞ」

そう言った牛島さんに、
「ああ、そう言うことか」
と、私は呟いた。

なるほど、それだったら知っていても当然か。

「食べたことがないのかなって思ってたから」

私がそう言ったら、
「俺のことをどう思ってるんだよ…」

牛島さんは呆れたと言うように息を吐いた。

「そう言うのに縁もゆかりもなさそうだなって」

「はっきりと言ってくれるな、そう言うところが気に入ったから莉理を選んだ訳なんだけど」

先ほど思ったことを正直に言った私に牛島さんは言い返した。

「じゃあ、食べに行くか」

そう言った牛島さんが歩き出したので私も一緒に歩いた。

期間限定の結婚生活はまだ始まったばかりである。

この結婚生活がこれからどこへ向かうのか、まだわからない。