熱愛発覚中

「蓮司さん…」

「だから、必要がないんだよ」

牛島さんは離婚届を手にかけると、それをビリッと破いた。

彼の手で破られた離婚届は、ただの小さな紙切れになっていた。

「ああ、契約書も必要がなかったな」

牛島さんはそう言って契約書を手に取ろうとしたが、
「…それは、私が破ってもいい?」

私が声をかけたら、契約書を渡してくれた。

「ひと思いに破っていいぞ」

そう言った牛島さんに首を縦に振ってうなずいて返事をすると、手に取った契約書を破った。

振り返ってみると、私たちのなれそめは本当におかしなものだなと思う。

修羅場を見ていた牛島さんが私に目をつけて、離婚前提の結婚を持ちかけてきたのが全ての始まりだった。

売り言葉に買い言葉で期間限定の結婚生活が始まったなんて、こんな展開はどこを探してもないだろう。