「…何だこの展開」

莉理がそう言ったので、
「…変なオチだな」
と、蓮司は言った。

お互いの距離がわからなくて、それ故に気を遣って悩んでしまった。

実際にフタを開けてみたら、そんなにもたいした結果じゃなかったと言うのに…本当に、何をやっているんだろうと思った。

「口に出して言ってみないと伝わらないものなんだな」

蓮司がそう言って息を吐いたら、
「ホントだね…」
と、莉理も言って息を吐いた。

でも…自分と莉理が両思いでよかったと思った。

(ずいぶんと遠回りをしてしまったうえに悩みに悩むくらいだったら、最初から口に出して言えばよかったな…)

そうすれば自分も莉理もこんなに悩まなかっただろうと思ったけれど、結果的には両思いになったからいいか…と、蓮司は莉理と一緒に笑いながら思った。