熱愛発覚中

不思議と情と言うものは出てこなかった。

母親の行方を知ったら、母親が死んだから心の中で何か出てくるものがあるものかと思ったが…それらしいものや感情は何も出てこなかった。

「ーー血は繋がっているけれど…俺からして見たら、赤の他人みたいなものだよな」

我ながら何をしているのだろうか…と、蓮司は思った。

自分の出生を詳しく調べて、自分を生んだだけの母親の行方を調べて…それで情が出てくるのかと思ったら何も出てこなくて、調べるだけ調べて自分は一体何をやっているのだろうと思った。

「バカだな、俺は…」

蓮司は呟くと、それまで見ていた書類と鑑定結果を全て封筒の中に入れた。

デスクの引き出しの鍵を開けると、その中に封筒を放り込んだ。

これから先、もう見ることはないだろうな…と、蓮司はそんなことを思った。

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