「話を簡単にまとめるとするならば、俺たちは両思いだった…と言うことだよな?」

そう言った牛島さんに、
「そ、そのようですね…」
と、私は返事をすることしかできなかった。

私たちはお互いの顔を見あわせると、首を縦に振ってうなずいた。

「…何だこの展開」

「…変なオチだな」

私と牛島さんはそれぞれの感想を口に出した。

と言うか、
「口に出して言ってみないと伝わらないものなんだな」

牛島さんはそう言うと、やれやれと言うように息を吐いた。

「ホントだね…」

それに対して私は返事をすると、同じように息を吐いた。

悩んでいたこの時間は何だったんだと言う話である。

「でも…莉理が俺と同じ気持ちでよかったよ」

そう言った牛島さんに、
「私も蓮司さんと両思いでよかった」

私は言い返すと、一緒に笑った。