熱愛発覚中

気になるセレブとかハイスペックがいるのかなんてそんな訳がわからないことを聞かれるけれど、そんなもんいる訳ないでしょとしか答えようがない。

「こっちは仕事だぞ、仕事」

婚活をしているんじゃないんだぞ、こっちは。

まじめに仕事して給料をもらっているんだぞ、おい。

「そうだ、お昼を食べに行かなければ…」

のん気にブツブツと独り言を呟いている場合じゃないことを思い出した。

カランカラン

ドアに備えつけてあるベルが来店者を告げた。

あー、お客さんがきてしまった…。

お昼に行きそびれてしまったよ、おい…。

そんなことを嘆きながら接客の仕事をしようとしたら、
「えっ…?」

その顔を見た私は、驚いた。

「どうも」

グレーのスーツに身を包んだ彼はそう言って私に笑いかけてきた。