休みの日に後輩に呼び出された時点で嫌な予感はしていた。

ショッピングモールの中にあるコーヒーショップに呼び出されて、呼び出した後輩の隣に自分がつきあっている恋人がいたところで嫌な予感は的中した。

ああ、これはそう言うパターンなんだな…と。

私はブラックティーを、後輩はキャラメルラテを頼んで、それを1口ずつ口に含んだところで…後輩が口を開いた。

ーー私たち、つきあっているんです

私ーー高城莉理(タカシロリリ)はブラックティーを口にしながら、後輩ーー有沢美世(アリサワミヨ)ちゃんの話に耳を傾けていた。

話の大半は恋人ーー飯塚吉行(イイヅカヨシユキ)ののろけ話だったけれど。

「そう言う訳なんですよ〜」

語尾を伸ばした独特なしゃべり方、まるで悪女のような笑みを浮かべた美世ちゃんは私に言った。