「…ここ、座って」

連れてこられたのは露印さんの部屋

……広い

「初めに、BLACK JOKER のお前には話さないといけないことがある。お前、HDSC(ここ)については知っているか?」

「いえ、知りません」

「分かった、まずここは4つの寮からなる学園だ、学園の中にも地位があり、1番上が DIAMOND HEART SPADE CRABE そして BLACK JOKER(お前) 2番目は RED JOKER と、各組の副組長だ、ここまではいいか?」

首を縦に振る

「この学園はおよそ150年前からある、英国の由緒正しき学園だそのこともあって、したきりがある。」

「したきり?ですか」

「そうだ、まず1つ目として…」

露印さんはそこまで言って…

「BLACK JOKERが配属された組長はBLACK JOKERと初夜を迎えなければいけない…という胡散臭い決まりだ」

「初夜…?」

何それ?

「お、お前初夜の意味知らないのか?」

「ん?みなさん知っている物なのですか?」

「はは!気に入った!お前面白いな」

「ん?」

ちょっと言ってる意味はわからないけど、気に障っていないならいいや

「お前、露印呼びは禁止な、タメ口にしろ」

急に俺様口調…

「どうした?」

「えーっと、露印ーー」

ムッと睨まれて黙る

「あ、時雨君は私と初夜?を迎えるのは嫌なの?あと、初夜って何?」

「お前本気で言ってるか?」

「知らないものは知らないんだもん」


「だもんとか、可愛すぎだろ」

ん?なんか言った?

「まぁいいや、初夜っていうのは、性行為ってこと、わかった?」

そういうのに疎い私でも流石にわかった…

コクコク

「わかってもらえてよかった…ってことで、今夜楽しみにしててね♡」

うっ

「これは甘〜いお話…次は苦〜いお話」

俺たち(組長)は自分の寮生と結ばれた時、初めてこの学園から解放される」

え?

「つまり、今年中に俺たち(組長)は愛する人を見つけないとこの学園から出られないそして、進級できないってこと」

そんなの…

「だから、俺の一年前の組長たちは好きでもない相手と結ばれたよ」

「そんな」

「そうだよね、そんなの酷だと思うよね、だけど、それが運命なんだ、しょうがない」

「嫌じゃ、ないの?」

「初めは俺だって、嫌だったよ。女が無理っていうのもあったしね。でも」

そう言いながら私の髪を一束すくって、愛しそうに口付けをする

「な、何してるのっ!」

「なぁ、紗希」

名前呼び!

「これから覚悟しとけ、お前のこと全力で堕とすからな」

鈍い私でもわかるよ、顔面偏差値の良さ+声がいいんだもん

「ここまで堕ちたら優しい口付けをしてやるよ」

「もう!怒りますよ」

「そんなこと言ったって、可愛いだけだぞ!」

「酷い…」

「じゃ、今日の夜な」

うっ

「はい…」

「タメ口…」

不貞腐れている姿がなんだか可愛くって、笑っていたら

「もう行く!」

拗ねちゃった

「じゃぁ、部屋で待ってて、それじゃ」

ドアノブに手を掛けたと思ったら

…急に時雨君の顔がドアップに

「チュッ♡」

「え?」

「赤くなってる、かーわい♡」

「じゃあな」

最後に耳元でつぶやかれた声は



とても甘くて



それとなく、どこか 切なさが含まれている気がした。