「ただいま」

う、目が合わせづらい…

「赤くなってる、かーわい♡」

「あ、あのほんとに、その…するの?」

「ん?俺とは嫌?」

耳が見える、子犬だ…!

嫌じゃないけど…

こういうのを母性本能がくすぐられるって言うのかな?

「い、嫌じゃないよ」

「ほんと?」

「うん」

「そっか、よかった…じゃ」

ドスッ

「きゃ、え?何すーーー」

これから先は言えなかった。

だって時雨君のそれが私のそれに当たったから

「ちょ、時雨君!」

もう息ができなくて時雨君の胸板を叩いた。

硬い、可愛いけどやっぱり男の子だな…

「ごめんごめん紗希が可愛くて…」

やっぱ冗談だよね…

ファーストキス奪われちゃった…

「てことで、ベットでしよっか!」

「え?」

終わりって意味じゃなかったの?

「よっと」

ひょいっと時雨君に抱えられてベッドに降ろされた

「あ〜、可愛い♡」

「待って時雨くーーーーー」

チュッ

「あ、ふぁ。し、ぐれく、ストッ、プ」

胸板を叩いてもびくともしない、硬い男の子の体

「やっば、俺やっぱ理性保つの無理だわ」

「ひゃ!」

時雨君の冷たい手が服の中に入ってきて、背中をなぞる

「もうこれ以上は…」

「っ、チュッ」

「はぁはぁ」

「俺紗希の事好きだ、これ以上は抑えられない、それでも…いいか?」

こんな出会ったばかりの人に「好き」って言われて、ほんとはそんなことないはずなのに


無性に「いいよ」って思っちゃう



この感情はなんなの?


「…紗希?」


時雨君だったら…





私が出す答えは一つ






「…いいよ、時雨君だったら」






この夜二人は一つになった。