「いーろ、いーろ、なーにいろ、どーんーなーいーろ!」

 無邪気な子供の声が、公園に響く。
「きいろー!」
「きいろ、きいろだって!」
「どこー?」
 佐賀田 アサカは、その声を聞いて、ふっと微笑んだ。
(いろおにか、懐かしいなぁ・・・。)
 確か、地域によって言い方が違ったはず。
 ここではさっきの、『いーろ、いーろ、なーにいろ、どーんーなーいーろ!』だけど、私が元々いたところは・・・・・・・・・。
「・・・何だったっけ・・・・・・。」
 ついにそんなことも思い出せなくなってしまったか。歳だなぁ。ついに三十路(みそじ)だもんなぁ・・・・・・。