湊へ

湊、これを読んでるってことはもう俺はいないんだな。ごめんな。こんな早くに死ぬつもりじゃなかったんだ。お前と母さんを残して死ぬなんて情けないよな。父さん失格だわ。
湊、どうか母さんを支えてやってくれ。守ってやってくれ。母さんはきっと俺のことが大好きだから、今頃どうなっているか想像できるな(笑)母さんのことを助けてやれるのは湊しかいないんだ。だから、俺の分まで母さんを大切にしてやってくれ。お願いだ。
それから、湊もだ。湊も俺のこと大好きだろ?(笑)もしそうじゃなかったら申し訳ないが、きっと大好きなはずだ。そう信じてこの手紙を書いてます。毎日毎日こんな情けない親父の面会に来てくれてありがとう。息子が自分のためにここまでしてくれて嬉しかった。だけどな、学校には行って欲しかったんだ。俺の面会は今だけだけど、湊が学校に通い学ぶことは、将来に繋がるんだぞ。だけど、勉強が嫌いだったら、他のことに力を入れればいい。野球だって努力を重ねればもっともっと上達するはずだ。まだやったことのないスポーツも可能性はある。ダンスもいいな。活き活きとしている湊を、父さんこの目で見たかったよ。
とりあえずな、父さんが湊に伝えたいことは一つ。

沢山の良い仲間に出会いなさい。

湊の名前は俺がつけたんだ。港のように人が集まり活き活きとした、この子にとって輝きのある人生になりますようにって。だから、自分のことを大切にしてくれる友達や仲間、先輩後輩そんな人と関わりなさい。悪い友達といるよりも、良い友達といた方が成長できるから。

困ったことがあれば自分を信じて突き進め。
湊、お前のことが大好きだよ。
生まれてきてくれてありがとう。
天国に行けるかどうかは分からないけれど、ずっと見守っています。

          父さんより