アンバランスなあたしたち

 本心を言えば、ずっとうれしかった。

 なのに、その気持ちを伝えるわけにはいかない。


 柊先輩と一緒にいるだけで、イヤでも目立ってしまうから。

 なんとも思っていないのに、ヘンな勘違いをされたくないから。


 今でさえ陰でコソコソ言われたり、通りすぎざまにキツイ視線を浴びせられたりしているのに、万が一これ以上仲よくしているところを見られでもしたら、本当にあたしの中学校生活は詰んでしまう。

 あたし、なにも悪いことしてないのに、なんでこんな思いをしなくちゃいけないんだろ。

 やっぱり、お姉ちゃんや柊先輩みたいにキラキラした人種と関わっていいことなんて、なにひとつないんだ。


 きゅっと唇を噛みしめようとした瞬間——。

「ねえ、わたしのに手を出さないでくれる?」

 低い声がして、声の方を見ると、お姉ちゃんが胸の前で腕組みして、怖い顔で立っていた。

「べ、別にあたし、柊先輩とはなんにもないからっ!」

 そう言い残すと、あたしはその場を全力ダッシュで離れた。


 ほらっ、お姉ちゃんにまで柊先輩を狙ってるって勘違いされちゃったじゃない!

 ……お姉ちゃんに敵うわけないんだから。

 あたし、そんなこと絶対にしないのに。