アンバランスなあたしたち

「『みんなにとっては二番でも、誰かの一番になれればいいと思います』って言ってくれたのは、茜ちゃんだよ? 僕は、茜ちゃんの一番でいたいんだ」

「あたし……ほんとはずっと歌手になりたかった。けど、全然地味だし、あたしくらい歌える子なんていっくらでもいるし、あたしがそんなしんどい思いして夢を追ったってって思ってた。けど」

 あたしは柊先輩を見上げた。

「柊先輩がピアノをもう一度がんばるなら……あたしもがんばってみたい」


 だって、柊先輩だけがんばるなんて、そんなのカッコよすぎて、あたしには隣にいる資格なんかないから。


「あたしもがんばる。だから……柊先輩の隣にいさせてください」


『はい。それではいい感じに丸く収まったところで、即時撤収をおねがいします』


 淡々とした小杉先輩の声に、ハッと我に返る。


 そうだ。ここって、ステージの上だったんだ……!

 ヒソヒソ話す声がめっちゃ聞こえてくるんですけど!?


 あたしと柊先輩は、慌ててステージ袖へと引っ込んだ。