アンバランスなあたしたち

『ちょっと、あんた。いつまで往生際の悪いこと言ってんのよ』

 そのとき、唐突にお姉ちゃんの声が、マイクを通して体育館の中に響いた。


 一体どこから??


 キョロキョロとお姉ちゃんの姿を探すと、司会進行役の小杉先輩からマイクを奪ったお姉ちゃんが、鬼の形相をしていた。

「お姉ちゃん……」


「え、ひょっとして、あのトナカイって、葵様の妹? あのどっからどう見ても普通な?」

「あの子と柊くんなんて、どう考えたって全然釣り合わないでしょ」


『——ちょっと。外野は黙っててくれる?』

 お姉ちゃんが聞いたこともないような低い声で言うと、ぴたりとヤジが止まる。

『自分の好きなことを大切にできてる今日の茜、すっごく輝いてた。本当はね、そんなあんたのことが、ずっとうらやましかったの』

「おねえ、ちゃん?」

『だからね、あんたはずっとそのままわたしの目標でいなくちゃいけないの。わかった?』

 しばし二人で見つめ合ったあと、あたしはこくりと小さくうなずいた。