アンバランスなあたしたち

 あたしたちの関係は、ここで終わり。

 本当に、終わっちゃうんだ。


「あたし、これからも柊先輩のこと、全力で応援しますね」

 悲しい気持ちは心の奥底に沈めて、あたしは精一杯の笑顔を返した。


「茜ちゃんには、一番近くで応援してほしい。だから——僕と付き合ってください」

「…………は?」


 一瞬しんと静まり返った体育館内に、柊先輩が正体を明かしたとき以上の悲鳴が響き渡る。


「ねえ、あの女、一体誰よ!?」

「柊くんって、葵様と付き合ってるんじゃなかったの??」


 そうだよ。柊先輩はお姉ちゃんと付き合ってるんだよね?


「茜ちゃんは、僕のことをはじめてちゃんと見てくれた人だから。これからも、僕のそばにいて、見守っていてほしい。それに、僕も茜ちゃんの夢を見守りたいんだ」

「あたしの……夢?」

「一番近くで、見守らせてもらえないかな」

「ま、待ってください。あたし、歌手になりたいだなんて、ひと言も……」

「ほら、やっぱり。茜ちゃんは、歌手になりたいんでしょ?」

 柊先輩が、くすりと笑う。

 誘導尋問!?

「ちがっ……だって、あたしの夢は、柊先輩みたいに実現しそうな夢なんかじゃなくて……」

「僕の夢と、どこも違わないよ」