アンバランスなあたしたち

 予定の曲目を終えたのに、柊先輩がもう一度ギターを構え直し、聞き慣れたイントロを奏ではじめる。

 sumokkaのラブバラードだ。


 もうっ。柊先輩、勝手なことしないでくださいよ。


 柊先輩にだけ見えるようにむくれて見せると、柊先輩がくすりと笑う。

『でも、歌ってくれるよね?』って言われたみたい。


 歌いますけど?

 だって、これはあたしたちの最初で最後のステージだから。


 ——あたしだって、まだ終わらせたくない。


 ♪君と出会えたこの奇跡
   ずっと続けと願うけど
    わかってる わかってるよ もう おわりが近いんだってこと

  君と過ごしたこの一年
   もっと続けと願っても
    わかってる わかってるよ もう さよならしなきゃってこと

  零れる涙 見せないで 
   溢れる思い 隠し通す

  君のこと 精一杯 愛してるから

  君のこと 目一杯 応援するよ これからも