アンバランスなあたしたち

 あたしたちがステージに上がると、体育館の中が一斉にザワつきはじめる。


「え、あれ、誰?」

「サンタとトナカイのコスプレって、超ふざけてない?」

「っていうか、うちの学校、音楽同好会なんてあったっけ?」

「知らなーい」


 このくらいは想定内。

 ステージ中央に置かれたマイクの前に立つと、あたしは柊先輩とアイコンタクトを交わした。

 柊先輩のギターから、陽気なクリスマスソングの旋律が流れはじめると、ちょっとだけザワつきが静まった。

 イントロの終わりまでくると、あたしはマイクを握りしめ、柊先輩のギターに身を委ねるようにして歌いはじめた。

 クリスマスソングに続いて、今年のヒットソングメドレー。

 誰もがどこかで耳にしたことのあるサウンドに、いつしか体育館の中に一体感が生まれる。


 ジャラーン……。


 柊先輩が最後の和音を奏でると、しばし空白のときが流れ、そして大きな拍手が沸き起こった。

 柊先輩の方を振り向くと、髭でよく見えないけど、きっと柊先輩も笑顔に違いないって思えた。


「え……?」