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 週明けの月曜日の放課後。

「おつかれ、茜ちゃん」

 部室の前で何度か深呼吸してから思いきって扉を開けると、今までとなにひとつ変わらない柔らかい笑みを浮かべた柊先輩が待っていた。

「文化祭も近いし、練習がんばらないとね」


 でも、あの日以降、やっぱり今までより少しだけ柊先輩に距離を置かれているような……気がしないでもない。

 でも、元々あたしと柊先輩が一緒にいること自体が異常事態なんだから。

 そうずっと自分に言い聞かせ続けた。


 そして迎えた文化祭当日——。