アンバランスなあたしたち

「僕だって、自分がダメ人間にしか思えないことくらいあるよ。だから、そんなふうに考えちゃう茜ちゃんの気持ちもわかる。でもさ、きっと自分では気づけないとしても、誰にだっていいところがいっぱいあるんじゃないかな。歌以外にだって、茜ちゃんには茜ちゃんのいいところ、いっぱいあるって僕は思ってるよ」

「柊先輩は、全然ダメ人間なんかじゃないです。だって柊先輩はカッコよくて、人気者で……あたしは、そういう人のそばにいちゃいけない人間なんです」

「そっか。……茜ちゃんだけは、みんなとは違うって思ってたんだけどな」


 そう言って笑ってみせる柊先輩の顔が、なんだか今にも泣きそうに見えて。

 なぜだか胸がズキズキ痛んで、あたしは顔をうつむかせた。