アンバランスなあたしたち

***


「ちょっと、茜。いつの間に(しゅう)先輩とあんなに仲よくなったわけ!?」

「しゅう、先輩?」

 一年一組の教室に着くなり、小学校からの親友の野田(のだ)真帆(まほ)にぐいと詰め寄られ、一歩あとずさりする。

(あおい)様の彼氏だっていうウワサの樫木(かしわぎ)(しゅう)先輩だよ! 柊先輩といえば、二年生で一番——ううん、学校イチのイケメンだって超有名じゃん。あんなに仲よさげにしておきながら、知らないとは言わせないよ? っていうか、自分の姉の彼氏を知らないなんて——」

 真帆の言葉を途中で遮るようにして、全力で首をぶんぶんと左右に振る。

「——こともあるのか。茜の場合は」

 そう言って、真帆がはぁーと大きなため息を吐く。


 だいたい、葵様——つまりあたしのお姉ちゃんに彼氏がいるなんて話、今まで聞いたことなかったし。

 あ。でもそういえば、お仕事のない週末も、いつもどこかに出掛けていたような……?

 そっか。あれは、デートのためだったんだ。