アンバランスなあたしたち

「ごめんね。ヘンなとこ見せちゃったね」

 家を出てしばらくすると、柊先輩はそう言って苦笑いを浮かべた。

「いえ。……全然」

「僕もね、小六まではピアノをやってたんだ。父さんがピアニストで、その姿に憧れて。でも、いくらがんばっても、所詮僕は二位にしかなれなかった。だから、ピアノは小学校までですっぱりやめたんだ」


 そんな。

 二位だって、十分すごいのに。


「……なんていうか……みんなにとっては二番でも、誰かの一番になれればいいと思います。あたしは今日、柊先輩のギターを聴いて、大好きだって思いました。一番大好きです」


 これは、本当の気持ち。


「うん。ありがと」

 柊先輩が、少し寂しそうな笑みを浮かべる。

「どうしてだろう。君の言葉は、ちゃんと素直に聞ける気がするな」

「どういう意味ですか?」

 あたしが首をかしげると、柊先輩がくすりと笑う。

「だって君、僕に全然興味ないでしょ」

「なっ……!」


 なんでわかったんだろ。

 って、これだけ柊先輩のことを避けてきたんだから、当然か。


「『ピアノを弾いてる姿がカッコいい』『なにをやってもイケメン』そんなふうに言うやつの言うことが、素直に聞けるわけないよね。いっそのこと、こんな外見じゃなくなればいいのにって、何度思ったことか」

「先輩……」