ビショビショになった私は、この教科書と服と髪とどうするかを、ただ考えていた。

突然、目の前に蓮くんが現れた。
…うつむいた佳奈と一緒に。

そして、佳奈は言った。

「美波酷いことしてごめんなさい」

「心のない、ごめんは要らない。」
無意識に口が動いていた。

「もう関わらないで。放っておいて。」
言いたいこと全て言った訳ではなかったけど、だいぶスッキリした。

そして、佳奈は走って逃げるように、この場を後にした。