呼び出された先には佳奈が水の入ったバケツと何故か私の教科書を持って待っていた。

「美波さ〜やっぱ分かってなかったんだね。なんで五十嵐くんにお姫様抱っことか、されちゃってんの?」

そう言いながら、私に教科書を投げ、私ごと水をかけられた。ビショビショになった。

「佳奈…?どうして?」

「ね?調子に乗ったらこうなるの。
次からは気をつけてね〜」

と佳奈は笑って、去っていった。

佳奈が私の視界から消えると、張っていた表情が一気に緩んだ。

そして、無意識に膝から崩れ落ちた。

「こんなはずじゃなかったのにな……。」

気づいたらそんなことを言って泣いていた。