庭に如雨露で水やりをするためか、
一人で出てきたようだった。


目が合うと頷くのでこちらも頷き返した。

また玄関の扉が開きーー…



「ちょっと音羽さん、勝手に出ないって」


音羽と呼ばれた女性は小柄で可愛らしかった。
正臣とは似ても似つかない。
妹には見えなかった。


正臣たちと目が合う。



「あ…」


「わたし、先家に戻ってるね」


そう車椅子の音羽さんは言って器用に家の中へ戻って行った。