正臣ep.


この子といると癒される。


音羽さんと下町でデートしたことを思い出す。

あの時は会話もこんなしなかったけど、
おしゃべりな彼女が居てくれて会話が弾んでる。


「正臣っ鳥が居るーっ!」


「セキセインコって鳥だね。

絶滅危惧種のなかでは一番低い
部類に当たるらしいよ。


可愛いって褒めてあげると
喜ぶ感じらしいね。」


「そうなんだ!手に乗せたらどうかなあ、
仲良くなれるかなあ、

あ!」


手のひらじゃなく優梨の肩に乗ったインコ。
鼾のような声を立てている。


「ふふ、寝起きの優梨みたい。」


「ちがいますーっ」

鼻をぴくっとさせながら怒る優梨。仕草ひとつひとつ可愛く愛おしい。優梨だけは誰からも守ってあげるんだという強い意志が固まった。