愛の栞



また絞り出した一滴の笑顔で、


「分かりました。では暫くの間、お時間だけお貸しします。」


フゥーと雪崩のようにでた一息。


四階は流石に疲れる。
県大で一位を取っても
常にハードルの上を飛んでる気持ち。


それ反復横跳びじゃないか。

高跳びだっけ。

もうどうでもいいや。


…と眠りに落ちそうな時に、
いかん、だめだだめだ…。と飛び起きた。


兄に連絡しなきゃ。

兄は町配達の要員でいつも野菜とかお惣菜を運んで街を回ってる。

こんな時でさえ頼り甲斐のありそうな人が連絡先にいない。が、声を聞くと安心する、日常に戻れるので電話する。