初恋初雪



小さく真っ白な雪が、辺り一面を白く染める。


いつもより少し早い今年初めての雪は、私の誕生日に降った。


「ちょっと積もってきたね」


親友の郁奈(かな)が窓の外を眺めて言う。


寒いわけだよ。


まさか雪が降るなんて思ってなかったし、朝から慌てて冬物の服を引っ張り出した。


「先輩たち大丈夫かな?」


今日は学校も休みで、私の家で遊ぶことになったんだ。


同じ部活の先輩2人も来ることになってるの。


3年生だからなかなか予定が合わなかったんだけど、今日は空いてるって言ってたから郁奈が無理矢理私の家に呼んだんだ。


「大翔(ひろと)先輩、結子(ゆいこ)が今日誕生日だって知らないんでしょ?教えておけばなんかプレゼントしてくれたかもしれないよ?」


「別にプレゼントなんていらないよ。一緒に過ごせるだけで十分! 」


「もう、結子はほんとにいい子なんだから~」


郁奈は呆れた顔で言うけど、本当だもん。


---ピンポーン…


インターホンが鳴って、私よりも先に郁奈が玄関に走った。


今日は永峰(ながみね)先輩も来るからって張り切ってたもんね。