「もしもし、奈々?
お前早くしろって。
マジでさみー。」

『……秀?
今何時?』

「8時5分」

『ダメ!!
無理!!
間に合わない!
先行ってて!』

「お前は……また遅刻かよ?」

『……冬は起きれないんだもん。』

「待ってるから、早く用意して。」

『……ごめんなさい。
勝手に家入ってきてね?』

「はいはい。」


合鍵で扉を開け、中に入るといつもの紅茶の香りがして、俺を笑顔にさせた。



「……秀、変じゃない?」

「変じゃないよ。」

「……ねぇ、可愛い?」


上目遣いで不安そうな表情を浮かべる。