「友達がね、秀と華恋ちゃんのキスシーン見ちゃったってっ……。」


偽物の明るい声と笑顔が言葉の最後には本物の悲しい声と顔に変わった。


「……ねぇ、なんで華恋ちゃんなの?
どうして華恋ちゃんと付き合ったの?」

「……奈々?」


今にも泣きそうに瞳に涙をためて、攻めるように俺を見ていた。


「……奈々、ごめん。
ちゃんと奈々を見守ってから華恋と付き合えばよかったな。」

「……秀にそんな事言ってほしいんじゃない!
私の好きな人は亮くんじゃないもん……。
気になるのは亮くんじゃない!



……秀だよ。」