「秀くん、今日はありがとう。」

「うん。
じゃー、また月曜日学校で。」

「……待って。」


華恋の右手が名残惜しそうに俺の右手を掴む。

不安そうに俺を見上げる瞳は少し潤んでいた。


「……キスはしなくていいから、抱きしめてほしいの。」


弱々しく声を震わせる華恋に俺は微笑みかけ華恋の顎から頬に手を張らせ唇を重ねた。

唇を放し、優しく抱きしめる。




……最低だろ?
好きでもないのに……。
俺は俺の為に華恋を利用したんだ。