こうなった経緯。それは、父の再婚だった。
 私の母は、小学生の時に交通事故で亡くなった。相手の信号無視が原因だったらしい。その後は、しばらく学校に行けなかったんだっけ。父と二人の生活は、裕福ではないけれど楽しかった。
 そんなある冬の日、父が再婚をしたいと言ってきたんだ。
「愛菜が嫌ならいいんだ。俺は、愛菜の気持ちを聞きたい」
父は、なんていうか過保護。何があっても、私が最優先みたい。何をするにしても、私の気持ちを聞いてくる。でも、私は父が大好きだ。
「私はいいと思うよ。お父さんが幸せなら」