そう尋ねると、

「あんたは頭がおかしいの!だから精神病院に居るの。わかる?しかも、搬送サービススタッフの手を噛んだんだってね。そんな凶暴な子は、こうされて当然なわけ」

さっき、私にはうるさいと言ったのに、看護師は私の耳元で大声で怒鳴った。

怒鳴るだけ怒鳴ったら出ていったが、私は家で虐待されていた時よりも遥かに強いストレスを感じた。

もう一つの世界へ逃げ込みたいのに、何故かうまくそれが出来ない。

それだけが、自分の心を守る唯一の術だったのに、それすら出来なくなり、涙が頬を伝った。



そんな状態が、果たしてどれぐらい続いたのかはわからない。

やっとのことで、身体の拘束からは解放されたものの、自分の居る場所を見て愕然とした。