主治医ということになっている医師は、父親世代の男性だ。

私は、暗い気持ちのままで、ロビーへ向かった。

その時、掃除をしていたスタッフから突然、

「何があったか、よかったら詳しく聞かせてくれないかな?」

そう言われ、顔を上げると、その清掃スタッフは空想の中のボーイフレンドと瓜二つの少年だった。

「あなたは…?」

そう尋ねると、彼は周りを少し気にしつつ、

「秘密を守れる?君が協力してくれたら、俺は君が早くここを出られるようにするよ」

「そんなことできるの…?あなたは誰?」

「秘密は守るって約束でいいね?」

念を押され、私は頷いた。