すぐに肘を上げて抵抗するも、隆史はびくともしない。それからフードを被せると生地越しに囁く。
「悪かった、悪かった。やっぱり拗ねてるんだろう? 謝るし、いつもの遥かに戻ってくれよな? この後、空き時間なんだ。遥のアパートに行って昼飯食わないか?」
生地越しでも脅し文句の生温さが伝わる。犬を褒めるように頭を撫でられた。
これは隆史がおかしくなったーーではなく、隆史のおかしさに今更気付いたのだ。
「っ、ひっ」
「行こうか、遥。俺、遥が作るオムライスが食べたい。いいよな?」
小さく呻く私に隆史がゆっくり頷く。つい最近まで想いを傾けていた相手に対し、このままだと食べられてしまうと全神経が嫌がる。
(助けて!!)
念じれば、心の中の私が切り返す。
(誰に?)
通行人や警察という選択肢は過ぎらず、結人さんの顔が浮かぶ。
(助けて、結人さん!)
そしてーー。
「はぁ、なかなかやって来ないと思ってみれば。赤ずきんちゃん、貴女、随分な道草をしていますね」
その声が聞こえた。
私のピンチに駆け付ける青味がかる瞳は細められる一方で、底知れぬ不快感を漂わせる。
「遥さんから手を離して下さい。これ以上、乱暴するなら警察を呼びますよ」
「悪かった、悪かった。やっぱり拗ねてるんだろう? 謝るし、いつもの遥かに戻ってくれよな? この後、空き時間なんだ。遥のアパートに行って昼飯食わないか?」
生地越しでも脅し文句の生温さが伝わる。犬を褒めるように頭を撫でられた。
これは隆史がおかしくなったーーではなく、隆史のおかしさに今更気付いたのだ。
「っ、ひっ」
「行こうか、遥。俺、遥が作るオムライスが食べたい。いいよな?」
小さく呻く私に隆史がゆっくり頷く。つい最近まで想いを傾けていた相手に対し、このままだと食べられてしまうと全神経が嫌がる。
(助けて!!)
念じれば、心の中の私が切り返す。
(誰に?)
通行人や警察という選択肢は過ぎらず、結人さんの顔が浮かぶ。
(助けて、結人さん!)
そしてーー。
「はぁ、なかなかやって来ないと思ってみれば。赤ずきんちゃん、貴女、随分な道草をしていますね」
その声が聞こえた。
私のピンチに駆け付ける青味がかる瞳は細められる一方で、底知れぬ不快感を漂わせる。
「遥さんから手を離して下さい。これ以上、乱暴するなら警察を呼びますよ」

