毒舌オオカミ秘書は赤ずきんちゃんを口説きたい

「まぁ丁度いいか。頼んであった荷物は送ってくれた?」

「……」

 結人さんとの件でそれどころじゃなかった、とは言えない。質問に首を振るーーと、ぞわりとした感覚に襲われた。

「こう見ると綺麗な顔はしてるんだよな」

 不躾に髪を撫でられて仰け反る。

「飯も美味かったし」

「な、なにするのよ!」

「拗ねてるんだろ?」

 嫌悪で身構えたのを都合よく解釈するとニヤニヤ。

「拗ねてなんか……」

「俺は遥がどうしてもって言うならヨリを戻したっていいんだぜ?」

 隆史には私がそれほどまで愚かな女に映るのだろう。一方的に別れたいと突き放した舌の根が乾かぬうち、こんな提案をするとは。

「何言ってるのよ? 課長と結婚するんでしょ?」

「ほら、結婚相手と恋愛相手は別だって言わない? 遥は怒らないし、俺がいちいち言わなくても察してくれるじゃん? 一緒に居て楽だし。遥が他の相手を見つけるまで、もしくは俺が結婚するまでとか期間を区切ってーーー」

「いい加減にして! そんな事、できるはずないよ!」

 鳥肌が立ってきて、とても最後まで言わせたくなかった。怒鳴ると隆史の態度がより横柄になる。