奇しくも彼から先に言い難そうな事柄を打ち明けてくる。
滞在先に招かれても結人さんのバックボーンは伺えない。むやみに、かつ嫌味なくプライベートへ踏み込ませないようしていた。
「勘違いしないで下さい。淋しくはありましたが幸せでしたから。祖母の味に似ていると伝えると遥さんが気を悪くするんじゃないか迷いました」
「そ、そうですか」
「次は遥さんの番です」
「え?」
「私と距離を取る理由を教えて下さい。ここに来てから様子がおかしくなりましたよね? 私を含め、ホテル側に不備があれば話して?」
笑みを深め、圧をかける。
「不備なんて、ないです。あるはずない」
なんなら彼等はパーフェクト、隙すらない。
結局のところ、結人さんに美味しい、美味しいと言われながら食べて欲しかったなんてーー子供っぽくて言い出せず。
唇を噛んで沈黙を守る。すると結人さんが膝を折って覗き込む。
「ほら、顔を真っ赤にするくらい我慢するのなら言ってしまった方が楽ですよ? 赤ずきんちゃん」
あえての軽口で慰めようとしているのだろう。これは結人さんなりの優しさ、甘い挑発。素直じゃない私を引き出す独特の話術なのだ。
けれど、そう言われた途端、涙が出てきてしまった。
「ーーんで? なんでそんなに物分りが良いんです? 私みたいな庶民に構ってるのは珍しいからですよね? 結人さんが私と仲良くしたいとかリップサービスする度、だんだん期待しちゃいそうになって惨めなんです!」
滞在先に招かれても結人さんのバックボーンは伺えない。むやみに、かつ嫌味なくプライベートへ踏み込ませないようしていた。
「勘違いしないで下さい。淋しくはありましたが幸せでしたから。祖母の味に似ていると伝えると遥さんが気を悪くするんじゃないか迷いました」
「そ、そうですか」
「次は遥さんの番です」
「え?」
「私と距離を取る理由を教えて下さい。ここに来てから様子がおかしくなりましたよね? 私を含め、ホテル側に不備があれば話して?」
笑みを深め、圧をかける。
「不備なんて、ないです。あるはずない」
なんなら彼等はパーフェクト、隙すらない。
結局のところ、結人さんに美味しい、美味しいと言われながら食べて欲しかったなんてーー子供っぽくて言い出せず。
唇を噛んで沈黙を守る。すると結人さんが膝を折って覗き込む。
「ほら、顔を真っ赤にするくらい我慢するのなら言ってしまった方が楽ですよ? 赤ずきんちゃん」
あえての軽口で慰めようとしているのだろう。これは結人さんなりの優しさ、甘い挑発。素直じゃない私を引き出す独特の話術なのだ。
けれど、そう言われた途端、涙が出てきてしまった。
「ーーんで? なんでそんなに物分りが良いんです? 私みたいな庶民に構ってるのは珍しいからですよね? 結人さんが私と仲良くしたいとかリップサービスする度、だんだん期待しちゃいそうになって惨めなんです!」

