結人さんが再び小鉢へ手を伸ばすのを反射的に避けていた。
「嫌いなものを無理やり食べさせたい訳じゃないんです」
露骨に身体を捩らす。
「ならば私はどうすれば?」
「私の機嫌なんてとらなくてもいいじゃないですか?」
「そういう訳には参りません。遥さんと険悪になりたくない、親しくなりたいです」
「親しくって……私達、全然違うのに」
「先程から私が違う世界の住人とか仰りますが、それはどうして?」
「生活基盤が違うという意味ですよ! 分かりませんか?」
結人さんは本当に分かっていない。私が一方的に抱く劣等を理解する義理はないといえ、他の件は察しが良すぎる分、もどかしくなる。
コンプレックスを吐き出させないで。睨んだら肩を竦められた。
「……私は祖母に育てられましてね、貴女の料理に祖母の味を思い出しました。私の家では両親が揃う事がほぼなく、会話しながら食事をする習慣はありません。だから黙って黙々と食べてしまう癖が今も抜けなくて」
やや間を置き、結人さんはニッコリ微笑む。
「確かに遥さんが育ったであろう環境とは違いますよね」
ニッコリ微笑みながら傷付いている。何度と笑顔を向けられるうち、識別出来るようになっていた。
「嫌いなものを無理やり食べさせたい訳じゃないんです」
露骨に身体を捩らす。
「ならば私はどうすれば?」
「私の機嫌なんてとらなくてもいいじゃないですか?」
「そういう訳には参りません。遥さんと険悪になりたくない、親しくなりたいです」
「親しくって……私達、全然違うのに」
「先程から私が違う世界の住人とか仰りますが、それはどうして?」
「生活基盤が違うという意味ですよ! 分かりませんか?」
結人さんは本当に分かっていない。私が一方的に抱く劣等を理解する義理はないといえ、他の件は察しが良すぎる分、もどかしくなる。
コンプレックスを吐き出させないで。睨んだら肩を竦められた。
「……私は祖母に育てられましてね、貴女の料理に祖母の味を思い出しました。私の家では両親が揃う事がほぼなく、会話しながら食事をする習慣はありません。だから黙って黙々と食べてしまう癖が今も抜けなくて」
やや間を置き、結人さんはニッコリ微笑む。
「確かに遥さんが育ったであろう環境とは違いますよね」
ニッコリ微笑みながら傷付いている。何度と笑顔を向けられるうち、識別出来るようになっていた。

