――翌朝

 さきとはるのいるところにまっすぐ向かった。

 「ごめんなさい。
 私は二人の悪口をあの子たちと一緒になって言っていた。
 許されないことだって分かってる。
 でも、これだけは言わせて。
 私は本当に二人のことが大好きだから。」

 許されるわけがない。
 許されたくて謝ったんじゃない。
 ただもう自分にウソをつきたくない。
 もう大切な友達を傷つけたくない。
 ただそれだけのことなんだ。

 「正直、悪口言われているときは本当に苦しかったし、悲しかった。
 はゆは大切な友達だと思っていたから、なおさら苦しかった。
 でも、はゆは誰よりも思いやりがあって、大事な人を大事にすることを一番知ってる。
 悪口を言われた後、さき考えていたんだ。
 悪口を言われるさきにも原因があるって。
 だから、今回はお互いさまだよ。」
 さきは優しい口調で話した。

 はるは少し微笑んで話してくれた。
 「そうだよ。
 はゆだけが悪なんじゃないよ。
 言われる私たちにもきっと何か原因があったんだよ。
 お互いさま、お互いさま。」

 2人の優しい言葉に自然と涙がこぼれた。
 
 「何でそんなに優しいの。
 普通は許さないよ。
 こんなに傷つけたんだよ。
 軽蔑していいんだよ。
 何で許すの?」
 私が泣きながら問う。

 二人は顔を合わせて、
 「「友達だからだよ!」」
 「はゆは大事な大切な友達だから。
 はゆが思っているのと同じで、私たちもはゆのことが大切なんだよ。」
 はるが抱きしめて言った。

 「さきだって、はゆのこと大好きなんだよ。
 はゆが思っている以上に大好きだよ!」

 
 ――――

 またあの子たちと話す機会があった。
 「マジでキモいんだけど……笑笑」
 「ああいうやつ嫌いなんだよねぇ」
 「はゆもそうでしょ?」

 私はもう前の自分じゃない。
 自分の気持ちにウソはつかない。

 「私はそうは思わないよ。
 私は明るくてみんなに優しい二人が好きだよ。」
 勇気を出して言った私の本当の気持ち。