今日もやってる。
 私の友達の悪口。
 何がおもしろいのだろう。
 何にそんなに笑えるのだろう。
 この人たちの心理が分からない。

 「はゆ、おはよう!」
 「おはよう、さき」
 さきは私の小学一年生からの大事な友達。
 あともう一人いる。
 あ、来た。
 「おはよう!、はゆ」
 はるだ。
 二人とも明るくて一緒にいて安心するし、何より楽しい。
 こんなに大事な人を傷つけるなんて、私は最低だ。

 ――昼休み

 さきとはるは外で何人かと鬼ごっこをしていた。
 私は教室でまた別の友達といるところだ。
 
 「見て!笑笑
 あいつ、いつも体育の半ズボン、あげパンなんだけど笑」
 「ダサいけど、めっちゃ似合うよね笑」

 これははるのことを言ってる。
 何でこんなことを言うのだろう。
 私の大事な友達を悪く言われて、とても嫌だ。
 どこがそんなにおかしいのだろう。

 「てかさ、今日の体育の組体操のクラスピラミッド、
 めっちゃさき重くない?笑」
 「わかる!何で上段なの?笑笑」

 次はさきのことか。
 人間なのだから、重いのはしょうがないだろう。
 何を言っているのか……
 というか、あなた方の方が重いのではないか。
 何を無神経に言っているのだろう。
 全くおもしろくない。
 上段は上段で一番上で怖いと思うのにやっているんだ。
 中段たちが何を言っているのだろう。
 私も中段だから分かるが、正直中段でも怖い。
 だから、さらに上の上段はもっと恐怖を感じるだろう。

 「ねぇ、はゆもそう思うでしょ?笑」
 (そうじゃないと答えたい。)
 でも、否定したら、
 次は私のことを悪く言われるのだろうか。
 どうすればいい?
 
 「そうだね」
 (あ、否定できなかった。)
 さきとはるの悪口を言ってしまった。
 もう取り返しがつかない。
 何て言うのが正解だったんだ。
 私はどうすればよかったのだ。
 もう何もかも分からなくなってしまう。