「⋯よし。おば様、行ってくるよ」
パンパン、とスカートをはらい、鏡越しにおば様の顔を見た。
現在時刻は午後六時。
今から出発して、丁度イルミネーションが映える時間帯になる予定だ。
「固すぎず、柔らかくね。あくまでデートですから」
ポン、と私の肩に手を置いて喝を入れてくれた。
「⋯あ、⋯ヴィル」
「ん、遅かったですね」
待ち合わせ場所は屋敷から少し離れた広場。
理由は単純。
お父様にバレたらヤバいことになるから。
「そりゃそうでしょ、私の方が遅く出たんだから」
怪しまれないように、時間もバラバラにして出た。
ヴィルは、休暇を取ったと嘘を吐いて。
「じゃ、行きましょうか。」